自立支援歯科学

こころ歯クリニック

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自立支援歯科学

コラム

2018/02/01 自立支援歯科学

歯学部の学生の頃、図書館で一般向けの歯科の本を読みあさっていた時期がありました。多くの読み物の中で、タイトルも著者も忘れましたが、「入れ歯を入れてしっかり噛むと寝たきりの方が元気になる」というような内容があり、非常に興味をもって読んだ覚えがあります。学生当時は将来こんなことに携われるような歯科医師になれたらいいなと思っていましたが、具体的にどこでどのような勉強をすればいいのか見当もつかず・・いつの間にか頭の片隅のおぼろげな記憶となっていました^^;;

 

「自立支援介護」という言葉を初めてきいたのは河原英雄先生主宰の「前歯でも噛める入れ歯研究会」であり、2年ほど前から非常に関心を持っています。歩行能力が低下すると車いす介助になる、排泄で失敗すればおむつとなる、少しむせているとドロドロのミキサー食、あるいは胃瘻になる・・・これが今までのお世話型介護です。介護される方々はこのような介護をされることで、今までの日常生活を奪われてしまい、自分はもはや存在する価値のない人間になってしまったと感じてしまいます。ところが自立支援では胃瘻だった人がお口からしっかり食べれるように、寝たきりの人が自立歩行できるように、おむつだった人がトイレで排泄できるように取り組むことで、人が変わったように活き活きと生活できるようになり、さらに家族の介護負担の軽減、医療費の減少等驚くべき効果が報告されています。

 

国際医療福祉大学大学院教授の竹内孝仁先生は以前より自立支援介護を提唱し、おむつ外し、胃瘻外し、認知症は水で治るなどの著書で有名な方です。平成28年に安倍総理が議長の未来投資会議によばれプレゼンをした結果「日本の介護は自立支援介護ですすめる」と決定されたと、当時講演の中で内緒で教えて頂きました。今年の介護報酬の改定では自立支援重視となることが1/27山陽新聞1面にも出ていたのをご覧になった方も多いと思います。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo_iryokaigo_dai3/siryou5.pdf

 

また竹内教授は自立支援歯科学ということも提唱されて、自立支援の中でも食事をしっかり食べれるようになることの重要性を多くの著書、講演で訴えています。これは以前書いた河原英雄先生の考えとピッタリで、お二人でタッグを組んで進めているところです。

 

初めて竹内教授の講演をきいて以来当院のグループ企業である長島病院や多聞荘で自立支援介護を取り入れたいと強く願っており、ようやく今年に入って少し前進できそうなところです。期せずして学生時代に夢見ていた「寝たきりの方が元気になる」歯科医療が実現できれば、歯科医師としてこれ以上のやりがいはありません(^^)
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院長 長島 義之
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