化学物質過敏症について

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化学物質過敏症について

コラム

2025/04/01 化学物質過敏症について

 先日ある方から、県外の知り合いの化学物質過敏症(CS)の方の歯科受診先を探して欲しいと相談を受けました。私もあまり詳しくなかったので色々調べてみました。

 

 CSの患者さんは化学物質に対して異常に過敏になり、生活の中でわずかな暴露でも様々な身体的症状が引き起こされる状態です。そのため日常生活に支障をきたすことが多く、その症状も頭痛やめまい、喉の痛みや咳、呼吸困難、喘息様の症状、かゆみ、発疹や湿疹、吐き気など多岐にわたります。原因物質も様々で、洗剤や柔軟剤、消臭剤、香水、掃除用化学薬品、農薬、消毒薬、建材や家具に含まれる揮発性有機化合物やホルムアルデヒド、カビやダニなどです。人によって多臓器に様々な症状が発症すること、精神疾患と誤解されることがCSの診断と治療を難しくしている大きな原因です。
同じように携帯電話や電気製品、Wi-Fiから発せられる電磁波に過敏な電磁波過敏症という症状もあり、電磁波と化学物質どちらにも症状を発症する患者も多いようです。
重症になると仕事や家事ができない、学校や会社に行けないなど極めて深刻で、何より辛いのは自分の体を安心して置ける場所がないこと、安心して呼吸ができないことです。特効薬はなく原因物質を避け、栄養、養生、生活環境の整備と改善で、時間をかけて徐々に体調が回復するのを待つというのが唯一の治療法です。

 

 今回化学物質過敏症支援センターに連絡をとり、会報誌を頂き、30年以上CSの患者さんを治療されている歯科医師に電話でお話をお聞きすることができました。CSの患者さんは何に反応するか分からないため、通院しやすくどこか症状が落ち着く避難場所が近くにある歯科医院がよい、もし治療に際して問題が生じたら担当医に具体的な解決策を提案しますというお答えでした。

 

 歯科医院では消毒薬、殺菌剤などの薬剤や、金属、高分子化合物を日常的に使用しています。これらはアレルゲンになりやすく、微量でも繰り返し暴露されることで健康に影響を及ぼすため、歯科医療従事者はアレルギー疾患や過敏症のハイリスクグループと言われています。
こころ歯クリニックでは、治療に使用する薬剤は必要最低限のものであり、揮発性の薬剤を使用する場合には換気に注意しています。また当院の建築には可能な限り自然素材を使用しています。壁紙も一切ありませんので接着剤などの揮発性有機化合物は使用していません。診療室の床はタイルであり化学清掃用品は使用せず、スチームモップによる清掃を行なっています。これらの配慮は化学物質、薬剤は全て毒であり、患者さんはもちろん、スタッフ、自分や家族にもできるだけ害のない環境にしたかったためです。

 

最近柔軟剤使用が皮膚炎の重症度や花粉症に関係していると言われています。また児童虐待や銃の乱射事件など、逆上したら気持ちを抑えられない大人やキレる子供が増えているのも、感情を抑制する酵素が化学物質によって破壊された結果であるという報告もあります。私たちの生活には様々な化学物質があり、その安全性は十分に検証されているとは言えません。少しでも関心をもって頂ければ幸いです。

 

 

 

 

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院長 長島 義之
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