咬合・顎関節治療のパラダイムシフト

こころ歯クリニック

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咬合・顎関節治療のパラダイムシフト

コラム

2026/01/05 咬合・顎関節治療のパラダイムシフト

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。本年もさらに知識・技術の研鑽に努め、皆様に安心の医療をご提供できるように、より一層の努力を続けていきたいと思います。

昨年もまたスタッフの退職が続き、数年前と比べてほとんど入れ替わってしまいましたが、医院の雰囲気もずいぶん変わりました。退職は残念ではありますが、一方でステップアップのチャンスでもあり、また一段と専門性の高い診療体制が整いつつあると感じています。

 

 当院では痛みがある部位だけではなく、お口の中が悪くなっていった原因を除去しできるだけ予知性の高い治療を目指し、再治療とならないように努めています。特に噛み合わせについては、顎関節も含め問題を改善するために補綴治療や矯正治療の必要性をご説明することが多くあります。顎関節は他の関節に比べて非常に特異な構造と運動をします。下顎骨は左右の関節が一対であり、他の関節のように回転するだけでなく、前後に滑走運動をすることで三次元的に複雑な動きが可能です。ご自分の顎関節に指を当ててお口を開け閉めしてみて下さい、顎関節の動きが分かると思います。噛み合わせの治療では、この顎関節の安静な状態と下顎運動に調和した噛み合わせの状態にすることが主な目標の一つです。

生体のあらゆる関節の間には軟骨が存在し、骨と骨の間のクッションの役割りをすることで、滑らかに運動をすることができます。顎関節の関節軟骨は関節円板と呼ばれ、正常であれば顎関節の回転、滑走運動に合わせて関節とともに動きます。しかし関節円板はその顎関節の特異な構造と運動のために負担がかかりやすく、また少しずれたり動きにくくなったり、音がしたり、痛みがでることがあります。また完全にずれてしまった場合早期であれば元に戻す治療も可能ですが戻らなくなっている方も多く、ある研究では小児も含め5~6割の方の関節円板がずれているという報告もあります。

 

 顎関節の標準的な治療では特に痛みがなければ顎関節の問題は経過観察でよいとされていますが、実のところ何が正しい治療法なのか答えが出ていないのが現状です。しかしそのカギとなるのが関節円板の状態であり、今までの研究報告ではそれが噛み合わせや下顎運動に影響を及ぼすことが考慮されていませんでした。

関節円板の状態はMRIを撮影しなければわかりません。昨年末あるシンポジウムに参加しました。20年以上顎関節の状態をMRIで診査し矯正治療に取り組んでいる先生によると、関節円板がずれていることで顎関節が変形や吸収したりするため状態が悪化しやすいこと、また関節円板の状態を改善できれば噛み合わせが変わり、治療のスタートの状態が変わるために、治療方針が変わってしまうことがあることを学びました。今私が非常に注視している問題で、現在全体的な治療に際してMRIの撮影をお願いしているところです。撮影してみると関節円板の状態だけではなく、周囲の血流の状態や骨代謝の状態まで確認できるため非常に有用であり、場合によっては治療法を熟考し直す必要性を感じています。

 

 咬合・顎関節治療は私のライフワークのつもりで取り組んできましたが、ここにきてこのようなパラダイムシフトを迎えるとは思いもよりませんでした・・本当に歯科治療は奥が深いです。。

 

 

 

 

 

こころ歯クリニック

電話番号 086-206-1621
住所 〒709-0856 岡山市東区瀬戸町下188−1
院長 長島 義之
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