熱中症と認知症ー水分摂取の重要性ー

こころ歯クリニック

086-206-1621

〒709-0856 岡山市東区瀬戸町下188−1

診察時間 午前9:00〜12:30/午後14:30〜18:00/木・土 午前のみ

ブログ一覧

熱中症と認知症ー水分摂取の重要性ー

コラム

2019/08/01 熱中症と認知症ー水分摂取の重要性ー

比較的涼しかった梅雨から一転して、ここ最近は非常に暑い日が続いています。この先も気温が高い日が続くようですので、こまめな水分補給をするなど熱中症対策を心がけるようにして下さい。

 

水分補給や子供の健康のためにスポーツドリンクが適しているというイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし一般的なスポーツドリンク500mlにはスティックシュガー11本分もの糖分が含まれています。

これは虫歯のリスクがかなり高くなるだけでなく、肥満や生活習慣病の原因となります。 高血糖となるとのどの渇きは癒されず、さらにスポーツドリンクを摂取することで代謝異常を引き起こすことがあります(ペットボトル症候群)。

激しい運動の後でなければ水分補給は水やお茶で十分であり、熱中症予防のための水分補給が別の疾患の原因となっては何にもなりません、特に小さなお子様においてはご留意下さい。

 

以前も書きましたが、私は自立支援介護に非常に関心を持っています。7月に開催された学術大会には関連施設である多聞荘の施設長と長島病院歯科医長と参加してきました。

 

IMG_6386 IMG_6396

 

自立支援では水分1日1500ml、食事1日1500kcal、運動1日2km、3日以内の自然排便を基本ケアとして重要視しています。

この4項目は互いに強く影響し合っていて、水分が不足すると体は動かなくなり、食欲を失い便秘をひきおこします。水分不足のまま歩行練習をしても成果はあがらず、また水分不足のまま下剤をのんでも便秘は改善しません。

このように基本ケアの中でも水分摂取の意義は大きく、実際に施設においてはコミュニケーションをとれない高齢者が水をよく飲むようになって顔つきもはっきりし、笑顔で話したり冗談も言うようになった、夜間不眠や夜間不穏となる入所者がいなくなった、肺炎での入院がいなくなったなど、多くの事例報告があります。

 

人間の体の水分量は子供で体重の75%、成人で60%、65歳以上の高齢者で50%と年齢とともに減っていきますが、どの年齢でもほんの1〜2%の水が欠乏しただけで意識障害が起こります。これは体重50kgの65歳以上の方の場合、250〜500cc、ペットボトル1本にも満たない水分が不足しただけで意識がおかしくなることになります。

このように慢性的な水分不足のため寝たきりになっている高齢者は非常にたくさんいらっしゃいます。

 

脱水による意識障害が関係する点で認知症と熱中症はよく似ています。

自立支援介護の提唱者である竹内孝仁先生の著書は図書室に多数置いていますので、ぜひ手に取ってみて下さい。
 

 

 

こころ歯クリニック

電話番号 086-206-1621
住所 〒709-0856 岡山市東区瀬戸町下188−1
院長 長島 義之
診療時間 午前9:00〜12:30/午後14:30〜18:00/木・土 午前のみ
休診日 日・祝

TOP