日本口腔インプラント学会学術大会

毎年９月は公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会が開催されます。
今年の大会長は私の元上司である、福岡歯科大学咬合修復学講座口腔インプラント学分野の城戸教授でした。

大学に勤務していた頃は、所属講座で地方支部学術大会を含め数々の学術大会の主幹校を経験しました。当時一番下っ端だった私でさえ、小さな学術大会であっても準備は目が廻る忙しさでした。最近では抄録集もアプリになっていたり随所でプロのサポートが入っているようですが、当時はまだまだアナログで、特に35mmスライドで発表していた時代は大変でした。もし私がまだ大学にいたとしたら、間違いなく今回実行委員長をしなければならない立場だったので「医局員は大変だろうな・・」と人ごとのように思いつつも、いつもとは違った感慨深い想いで参加しました。

 
また今回は優秀研究発表の座長を担当するように命じられ、さらに緊張してのぞみました。学会発表の回数は地方支部学術大会や共同演者を含めるとゆうに100回は超えていると思いますが、座長は数えるほどしか経験がありません・・初めての大きな会場での大役に、終わるまでかなり憂鬱な日々でした^^;

 
私は1999年に大学を卒業しましたが、丁度卒業時母校に日本初の口腔インプラント科が開設されたため研修医第一号として入局しました。当時は教授一人、講師二人、助手一人と私のこじんまりとした医局でしたが、毎日非常に密度が高く多くのことを学ぶことができました。インプラント治療には補綴科、歯周科、口腔外科など高度な専門性を総合した知識と技術が必要です。卒後すぐに各専門医に学ぶことができたのは本当にラッキーだったと思います。また偶々入局第一号であったことで様々な場面で重用してもらったことが今の私につながっているのは間違いなく、感謝の念に堪えません。
しかし後輩たちにはあたり前になっている大学院生の麻酔科研修も、第一号であった私にはあまりにも突然命じられたため心の準備をする余裕すらありませんでした^^;

 
ありがたいことに城戸教授からは未だに「大学に残って教授を目指してくれたらよかったのに」と言って頂きます。もし大学に残っていたら全く違う人生だったかもしれませんが、私は今こころ歯クリニックを開業できて、すばらしいスタッフと一緒に多少なりとも皆様のお口の健康に寄与することができるよう日々向き合うことに、大変な責任とやりがいを感じています(^^)